✅【第2本目】不動産取引と開発の盲点?公有地拡大推進法を制する者は行政交渉を制す【5万字・事業者実務対応マニュアル】
🏗第1章:開発行為に潜む“法の壁”とは?
◆1-1 不動産業者が気づきにくい「届出義務」
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一定規模を超える土地取引には公有地拡大推進法の届出義務
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これを怠ると、最悪の場合行政指導・事業停止リスク
◆1-2 開発計画における“行政買取希望”の可能性
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あなたが買おうとしている土地、
→ 実は市が「保育園」や「道路」として狙っている土地かも
→ この法律が発動されると「優先交渉権者」は自治体
◆1-3 実務でよくある“想定外のケース”
ケース | 問題 |
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土地売買契約済→行政が買取通知 | 売主が契約キャンセル希望、トラブル化 |
開発許可直前に届出義務 | 20日間の待機が事業スケジュールに影響 |
複数地権者のうち一人だけが届出対象 | 事業全体が止まるおそれあり |
🧭第2章:届出が必要な不動産取引とは?
◆2-1 該当する条件一覧
◆2-2 届出対象となる当事者は?
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売主側に届出義務あり
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ただし、買主側が気付かず進めた結果、トラブルになることも多い
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実務上は仲介業者が届出アラートを出せるかがカギ
◆2-3 届出しないとどうなるか?
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指導 → 勧告 → 公表の3段階
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悪質と判断されれば業者名が自治体HPに掲載されるケースも
📈第3章:事業者にとっての“リスク”と“チャンス”
◆3-1 リスク:取得失敗・スケジュール遅延・信用毀損
内容 | 影響 |
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行政が買い受け希望 | 契約予定が破談・開発計画崩壊 |
買取希望が出るまで最大20日待機 | 事業資金の寝かせ・売主離脱リスク |
届出漏れ → 指導 | 実績・行政印象のマイナス |
◆3-2 チャンス:自治体との連携による開発権獲得
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行政の「公有地取得構想」と連携すれば
→ 土地を一時取得 → 公共施設併設+周辺開発の主導権獲得も可能
◆3-3 成功事例:公有地の“協力取得”モデル
▶ 大阪市内の旧工場跡地(6,000㎡)
🧾第4章:行政調整の“勝ち筋”
◆4-1 買取意向が出たらどう対応すべきか?
行動 | 解説 |
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①事業計画書の共有 | 自治体に正式提出し、意図を明示 |
②部分売却提案 | 全面取得でなく、一部を売却提案することで交渉余地 |
③代替地提案 | 市が狙っている土地以外の“候補地”を持参することで協調関係構築 |
◆4-2 行政側の“本音”を読む
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市がどうしても欲しい土地とは?
→ ①用途指定あり/②周辺公共施設との連続性/③将来構想内 -
逆に希望が弱ければ
→ 「意向通知→協議の結果スルー」も珍しくない(実質的な牽制のみ)
◆4-3 補助金・優遇制度とのセット提案が有効
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土地提供と引き換えに、施設整備費補助・優遇貸付などが交渉材料に
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事業者側が“公共性”を持ち込むと、行政側は通しやすくなる
✅まとめ:公有地拡大推進法を“逆に使う”ことで民間事業は加速する
この法律は一見「開発を妨げる」ように見えるが、
行政と連携し、“公共と民間の境界”を超えることでむしろ大きな事業機会が生まれる制度です。
不動産業者・開発事業者は、制度の“守り”だけでなく“攻め”に使える視点を持つことが、今後の都市ビジネス成功のカギとなります。
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