✅【第2本目】盛土・宅地造成の許可と届出、どこまで必要?規制法に基づく実務手続きと申請完全マニュアル【5万字・手続き・技術・届出編】 | sechs

✅【第2本目】盛土・宅地造成の許可と届出、どこまで必要?規制法に基づく実務手続きと申請完全マニュアル【5万字・手続き・技術・届出編】

✅【第2本目】盛土・宅地造成の許可と届出、どこまで必要?規制法に基づく実務手続きと申請完全マニュアル【5万字・手続き・技術・届出編】


📋第1章:どの行為が「許可」?「届出」?何もしなくていい?


◆1-1 法対象の原則ルール

項目 基準
高さ 盛土 or 切土が5m以上
面積 1,000㎡以上(原則)
傾斜角 崩落危険角度(30度超)などは追加規制対象に

→ いずれかに該当すれば原則「許可」が必要。
該当しない場合でも「届出」が必要なケース多数。


◆1-2 許可の必要な例・不要な例

造成行為の種類 要許可? 解説
宅地開発のための大規模造成 ✅必要 開発許可とセット審査されることが多い
農地転用に伴う地均し ✅必要 一部でも5m以上なら対象に
ソーラー発電所の整地 ✅必要 環境影響調査と同時進行
個人住宅の庭の土盛り ❌原則不要 ただし自治体の条例次第で対象に

📎第2章:申請に必要な書類・図面・手続き一覧


◆2-1 許可申請に必要な主な書類(自治体共通)

書類名 内容
許可申請 基本情報(申請者、工事概要、位置)
造成計画書 工事方法、施工時期、安全対策
地形図・断面図 盛土・切土の形状、構造物の配置
排水計画書 雨水排水の処理方法・設備設計
安定計算書 土質/地耐力/崩落リスクの解析
写真 現況写真、航空写真、過去の崩落実績など

◆2-2 届出時に必要な書類

  • 届出書

  • 現況図(簡易な地形図でも可)

  • 盛土・切土予定図

  • 内容により追加資料が求められる場合あり(残土搬入など)


◆2-3 申請フロー(標準例)

  1. 行為内容の整理(盛土or切土/面積・高さ)

  2. 自治体窓口へ事前相談

  3. 許可か届出かの判断

  4. 書類作成・提出(設計者との連携が重要)

  5. 審査・現地調査・指導あり(1ヶ月〜2ヶ月)

  6. 許可取得後に工事開始

  7. 工事完了後の「完了報告書」「検査」


📐第3章:技術基準の要点と実務的注意点


◆3-1 安定勾配の技術基準

勾配種別 最大角度
一般盛土 1:1.5(約33度)以内が目安
軟弱地盤 安定勾配1:2以上(約26度)を推奨
雨水処理なし 原則許可下りない(排水計画必須)

◆3-2 排水・擁壁・地盤改良の最低基準

  • 排水管の口径・容量=年間最大降雨量基準

  • 擁壁の高さと鉄筋・控え壁の設計=建築基準法準拠

  • 軟弱地盤上に盛土→地盤改良工事がセットで必要


◆3-3 許可取得後の実務トラブルあるある

トラブル内容 原因
設計変更で再申請が必要に 工事中に敷地形状が変化
造成工事で隣地とトラブル 境界未確定/雨水流出対策不足
完了報告書の遅れで引渡しできず 工期遅れ/現場監督の申告漏れ

🧱第4章:業者・地主・建築主がやるべき対応とは?


◆4-1 デベロッパー・造成業者

  • 許可を前提にした工程管理

  • 許可→開発許可→造成→建築確認の順序で組む

  • 自治体との事前協議を入札前に終えるのが理想


◆4-2 土地所有者(地主)

  • 他人に貸す場合=行為責任が所有者にも及ぶ

  • 「無断盛土→損害→地権者責任」が全国で問題化中

  • 契約書に「規制法の遵守義務・違反時責任」条項を追加すべき


◆4-3 工事業者・職人への教育も重要

  • 許可標識の掲示義務

  • 工事中のずさんな対応で地元住民から通報される例多発

  • 写真管理・報告体制の整備が必須


✅まとめ:盛土・造成は“法と技術”が揃って初めて安全になる


許可を取るだけでは不十分。
地盤・排水・近隣対策・地権者責任・施工品質――全部が揃って初めて“安全な造成”が実現する。

盛土規制法は、まさに「命を守る土工法規」である。

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