✅【第1本目】長期優良住宅とは何か?その定義と制度の全貌を徹底解説【5万字・制度理解と基礎編】
🏠第1章:なぜ「長期優良住宅法」が生まれたのか?
◆1-1 日本の住宅政策の転換点
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従来:「スクラップ&ビルド型」住宅政策(平均寿命30年)
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新政策:「いい住宅を、きちんと作り、長く使う」への転換
→ 2009年に長期優良住宅の普及の促進に関する法律が制定
◆1-2 目的は「質の高い住宅を社会資産にする」
目標 | 内容 |
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建替えスパンの延長 | 30年 → 60年以上の使用が前提 |
環境負荷の軽減 | 断熱性能/省エネ設備によるCO2削減 |
住宅市場の信頼性向上 | 明確な基準を満たした“優良住宅”を国が認定 |
📘第2章:長期優良住宅法の基本構造
◆2-1 法律の基本概要
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正式名称:「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」
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施行:平成21年(2009年)6月
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所管官庁:国土交通省
◆2-2 制度の全体像
◆2-3 関係する他制度との連携
🧾第3章:長期優良住宅の「認定申請」の流れ
◆3-1 手続きの基本
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設計段階で「認定基準」に適合する設計を実施
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建築確認申請と並行して「長期優良住宅認定申請」提出
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審査(市区町村 or 都道府県)→ 認定通知
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完成後に「建築完了届+維持管理計画書」提出
◆3-2 必要書類の例
書類 | 内容 |
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認定申請書 | 建物概要・設計者情報等 |
維持保全計画書 | 点検・修繕のスケジュール明記 |
設計図書 | 断面図/構造図/仕上表など |
性能評価書(任意) | 登録住宅性能評価機関発行の書類(あると審査短縮) |
◆3-3 認定にかかる期間と費用
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期間:おおむね1~2か月(自治体により変動)
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費用:申請料2万円前後+設計費用の増加あり
🧱第4章:どんな住宅が認定されるのか?技術要件の概要
分類 | 概要 |
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劣化対策 | 構造躯体の劣化を抑える技術(等級3以上) |
耐震性 | 耐震等級2以上または免震構造 |
省エネ性 | 断熱等性能等級5以上(2022年以降強化) |
維持管理 | 配管の点検・更新が容易な構造 |
居住環境 | 良好な景観・周辺環境との調和 |
可変性 | 将来の間取り変更に柔軟に対応可能な設計 |
◆4-2 中古住宅・既存住宅での適用は?
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原則「新築」が前提
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ただしリノベ+性能向上+全体再設計によって一部で認定事例あり
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今後、既存住宅市場への適用拡大も検討されている
✅まとめ:長期優良住宅法=住宅の価値を“寿命”で測る時代の象徴
マイホームが「35年ローンで30年使い捨て」の時代は終わった。
これからは「60年、100年使える住宅」を社会資産として築く時代。
この法律は、
📏 設計・施工の質を定め
📊 維持・点検の文化を根付かせ
🏠 住宅を“未来に残す”ための設計図 そのものです。
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