✅【第2本目】農地を売る・貸す・転用するには?農地法3条・4条・5条の許可制度と手続き完全ガイド【5万字・実務編】 | sechs

✅【第2本目】農地を売る・貸す・転用するには?農地法3条・4条・5条の許可制度と手続き完全ガイド【5万字・実務編】

✅【第2本目】農地を売る・貸す・転用するには?農地法3条・4条・5条の許可制度と手続き完全ガイド【5万字・実務編】


📜第1章:農地に関わる3つの許可制度とは?


◆1-1 農地法の3本柱とは?

条文 内容 対象
第3条 農地のまま権利を移転する 売買・貸借・使用貸借など
第4条 自分の農地を転用する 駐車場・資材置場・住宅など
第5条 他人の農地を取得し転用する 業者による取得・開発など

◆1-2 各条文の「許可が必要なケース」

条項 許可要否
第3条 農家から農家へ賃貸 許可が必要
第4条 自分の農地を宅地に 許可が必要
第5条 農地を買って駐車場に 許可が必要(最も審査が厳しい)

◆1-3 許可の権限は「農業委員会」と「知事等」

  • 市町村農業委員会:原則、全ての審査の一次窓口

  • 都道府県知事 or 指定市長:4条・5条の一部は最終許可権限


🧾第2章:農地法第3条 ― 農地の売買・貸借・贈与に必要な許可とは?


◆2-1 3条のポイント

  • 農地を農地のまま売る・貸す場合に適用

  • 転用を伴わなければ3条のみでOK

  • 「名義変更だけでも許可は必要」


◆2-2 許可の要件(代表的なもの)

要件 解説
営農継続能力があること 営農計画・作付け内容・収益見通しなど
周辺農地との一体利用 飛び地・孤立地だと否認されやすい
農業従事者であること 原則、本人が主たる農業者である必要

◆2-3 よくある質問

  • 「親族間で贈与なら不要?」→ 必要

  • 「市街化区域の農地も必要?」→ 原則必要だが一部例外あり

  • 「契約書締結前に許可?」→ 許可前の売買契約は原則無効(停止条件付は可)


🏘第3章:農地法第4条 ― 自分の農地を転用するには?


◆3-1 4条の基本的な適用パターン

  • 自己所有の農地を、農地以外に使う場合(売却なし)

  • 例:資材置場/駐車場/ソーラー設置/農家住宅建


◆3-2 許可の要否の基準

所在地 基準
市街化区域内 許可不要(届出制)
調整区域・非線引き 許可必要(審査厳格)

◆3-3 重要ポイント:青地農地は原則不可!

  • 「農用地区域内農地」(青地)は、農振除外が前提

  • 除外申請は年1〜2回/審査期間3〜6か月以上

  • まず農業振興地域整備計画から確認すべき!


🏗第4章:農地法第5条 ― 他人の農地を取得して転用する


◆4-1 一番ハードルが高い条文

  • 宅地開発業者・駐車場事業者などが対象

  • 最も慎重な審査が行われる(農業委員会+知事審査)


◆4-2 よくあるNG理由

理由 内容
農業への影響が大きい 優良農地・集団農地が対象になっている
計画に実現性がない 利用目的不明確・事業計画が甘い
地元反対が強い 農業者との協議不足・地域合意が取れていない

◆4-3 許可取得のポイント

  • 開発行為とのセット調整(都市計画法29条)

  • 農地以外の候補地提示(代替可能性検討)

  • 近隣住民との事前説明・意見聴取を徹底


🚨第5章:違反転用の事例と行政対応


◆5-1 違反事例集

ケース 処分内容
無許可で駐車場運営 原状回復命令+罰金命令(最大300万円)
仮設倉庫設置(建築確認取得済) 農地法違反で撤去命令(建築法と農地法は別)
ソーラー設置に伴う盛土・伐採 農地転用許可不取得で行政指導→営業停止事例あり

◆5-2 原状回復命令の強制力

  • 期限までに復旧しなければ行政代執行の可能性あり

  • 許可取得前に工事開始すると建築業者にも罰則影響あり


✅まとめ:農地を動かすには「法の理解と段取り」がカギ


農地法は「勝手に売る・使う」が絶対に許されない法律。
だが裏を返せば、正しく使えば農地も資産に転じる。

特に市街化区域内農地は“準資産”、調整区域農地は“戦略拠点”。
この条文構造をマスターすることが、農地活用・農業経営・不動産戦略すべての出発点となる。

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