「宅建士の資格だけ貸してくれない?」
「何もしなくていいよ、名義を貸すだけで毎月○万円払うから!」
そんな甘い誘いを受けた経験はありませんか?
宅建士資格を取得したばかりの人や、しばらく使っていない人がターゲットになりやすいのが、この“名義貸し”という行為。
聞こえは「楽して稼げそう」と思うかもしれませんが、名義貸しはれっきとした違法行為。
バレたときには、宅建士資格を失うだけでなく、あなたの人生設計すら狂わせてしまう危険性があります。
この記事では、
✅ 宅建士の名義貸しとは何か
✅ 絶対にやってはいけない理由
✅ 名義貸しによる5つの大きなデメリット
✅ 実際にあった処分事例
✅ 名義貸しを防ぐための対処法
まで、不動産業界歴10年以上の視点から徹底解説していきます。
宅建士の名義貸しとは?
✅ 定義
宅地建物取引士(宅建士)の資格を持っている人が、実際に勤務していない不動産会社の「専任宅建士」として登録し、その会社の営業許可や免許維持のために資格を“貸す”行為を指します。
つまり、本人は働いてもいないのに、会社の名簿には名前が載っていて、あたかも「勤務している」ことになっている状態です。
なぜ名義貸しは発生するのか?
✅ 不動産会社側の事情
✅ 宅建士側の事情
- せっかく資格を取ったが、活用する場がない
- 「貸すだけでお金がもらえる」という甘い誘い
- 事情を知らずに名義貸しが違法だと気付かないケース
- 知人・友人・親族からの頼みで断れない
【危険】宅建士名義貸しの5つのデメリット
いくら「楽して稼げる」と言われても、名義貸しは明らかな違法行為。
絶対にやってはいけない理由を、具体的なデメリットとリスクから紹介します。
1. 宅建士登録の抹消と資格剥奪
名義貸しが発覚した場合、あなたの宅建士登録は抹消されます。
つまり、国家資格を失うということです。
しかも、一度抹消された場合、再登録が5年間できないケースもあり、最悪、二度と宅建士として働けなくなることも。
2. 行政処分と刑事罰のリスク
宅地建物取引業法違反に該当し、以下の厳しい罰則があります。
- 1年以下の懲役
- 50万円以下の罰金
- 名義貸しによってその不動産会社が違法取引をしていれば、あなたも「共犯」として責任を問われる可能性があるのです。
3. 不動産業界でのキャリアが終わる
宅建士資格を失えば、
- 不動産営業職
- 不動産管理職
- 不動産投資アドバイザー
として働く道も閉ざされます。
さらに、宅建士の信用が命のこの業界では、「名義貸しの過去」が知れ渡ればどこにも再就職できないと考えて間違いありません。
4. 他の国家資格にも影響が及ぶ
「宅建士の名義貸し」という違法行為が判明すると、
5. 民事訴訟リスク(損害賠償を請求されることも)
もしあなたが名義を貸した会社が詐欺や不法行為を働いた場合、
- 顧客や取引先から損害賠償請求を受ける
- 連帯責任を問われる可能性がある
- 金銭的負担や法的手続きに巻き込まれる危険性が高い
といったリスクがあります。
実際にあった名義貸しの処分事例
▶ ケース1:地方の不動産会社に資格を貸した結果…
70代の宅建士が地元の不動産会社に名義を貸し、実態がないことが発覚。
→ 登録抹消+宅建業者は免許取消+宅建士は業界追放。
▶ ケース2:退職した会社に資格をそのまま使われた
本人の知らないうちに宅建士証のコピーが不正に使われ続けたケース。
→ 名義貸しとみなされ、本人は資格抹消+損害賠償請求。
名義貸しは「バレなきゃ大丈夫」ではない理由
✅ 行政の調査が年々厳しくなっている
✅ 内部告発・通報が当たり前になっている
- 元社員、現社員からの通報
- ライバル会社が不正を発見して通報
- 顧客が不信感を抱いて通報するケースも増加中
名義貸しを頼まれた場合の正しい対処法
1. 「法律違反なので無理」と即答する
名義貸しを持ち掛けられた時点で、相手の倫理観を疑うべきです。
即断り、付き合い方を考え直すことも必要です。
2. 継続的に依頼されたら行政へ相談
「どうしても名義を貸してくれ」としつこい場合、
→ 都道府県の宅建業監督課や不動産適正取引推進機構へ相談。
→ 必要があれば弁護士へ相談して対策。
宅建士資格を安全に活かす方法
名義貸しをするくらいなら、資格を合法的に使って副業や収入UPを目指しましょう!
- ✅ 不動産ライター
- ✅ 登録実務講習の講師
- ✅ 不動産投資の実践
- ✅ YouTubeやブログで不動産情報を発信
- ✅ 通信講座の講師・教材販売
名義貸しではなく、自分のスキルを正しく活かして収入アップを目指すのが王道です!
まとめ|名義貸しのデメリットは、人生の大損失
宅建士資格の名義貸しは、「楽して儲かる」どころか、
✔ 資格を失う
✔ キャリアが終わる
✔ 金銭的・法的責任が重くのしかかる
という、人生を狂わせるリスクがあります。
「ちょっとだけ」「バレないだろう」という安易な気持ちは捨て、
正しい方法で宅建士資格を活用し、
✔ 副収入
✔ 転職
✔ 独立開業
など、将来につながる行動を選びましょう!
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