「宅建士の資格を持っているけど使っていない」
「名義を貸すだけでお金がもらえるなら…悪くないかも?」
そんな考えを一度でも持ったことがある人は、この記事を読んでください。
結論から言えば、宅建士の名義貸しは絶対にやってはいけない違法行為です。
しかし、なぜ今でも「名義貸し」が行われてしまうのか、その“裏側”を知らなければ、リスクを回避することもできません。
今回はあえて、
✅ 宅建士の名義貸しがなぜ行われるのか
✅ 名義貸しの「メリット」とされている部分
✅ 実際のリスクと罰則
✅ なぜ絶対にやってはいけないのか
を、6000文字以上で詳しく解説していきます。
宅建士の名義貸しとは何か?改めて確認しよう
まずは基本をおさらい。
✅ 宅建士の名義貸しとは
実際に勤務していない会社や事務所で、「専任の宅建士」として名義を登録させることです。
簡単に言うと、「名前だけ貸して実態がない」のが名義貸し。
【あえて語る】宅建士の名義貸しによる“メリット”とは?
ここからは「なぜ名義貸しが後を絶たないのか」を理解するために、いわゆる“メリット”をあえて掘り下げて説明します。
1. 労働をしなくても報酬が得られる(副収入になる)
✅ 名義貸しで月額報酬が得られる
- 名義を貸すだけで月2万円〜5万円の報酬を受け取れるケースが多い
- 地方では1万円台、都市部では5万円以上提示される場合もある
- 宅建士証さえ貸せば、実際に出社や業務をしなくても“稼げる”
✅ 年間に換算すると数十万円の副収入
- 月5万円 × 12ヶ月 → 年間60万円
- 本業が別にあっても、名義貸しで安定的な「不労所得」を得る目的で依頼されることが多い
2. 宅建業界とのコネクションができる
✅ 不動産会社や経営者との関係構築
- 名義貸しを依頼されるということは、業界内で「宅建士」としての存在が認識されている
- 実務に関わっていなくても、宅建業界の人脈が広がる可能性がある
- 将来的に不動産業界で働く際の「口利き」「紹介」などが期待されると考える人も
3. 宅建士資格を「活用している」と錯覚できる
✅ 資格を放置している「もったいなさ」を解消
- 資格取得後、何年も使わずにいると「せっかく取ったのに…」と感じる
- 名義貸しをすることで「宅建士として役立っている」という錯覚が生まれる
- 「会社のために資格を活かしている」と自己満足してしまうケースも
4. 会社側の業務がスムーズになり感謝される
✅ 専任宅建士の登録ができて会社が営業可能になる
【実態】名義貸しが「副業」として成立してしまう理由
- 業界内の宅建士不足
- 営業所ごとの専任宅建士要件(5人に1人以上)が厳格
- 開業・免許更新時の「とりあえず必要」に駆られた会社からのオファーが多い
- 年齢層が高い資格保有者が、実務に関わらなくなりがち(高齢者の名義貸しが目立つ)
でもやっぱりダメ!宅建士の名義貸しによるデメリットとリスク
✅ 宅建業法違反の重大リスク
- 宅建士証の返還命令
- 登録抹消
- 再登録不可(最長5年)
- 1年以下の懲役、または50万円以下の罰金
- 名義貸しが詐欺・違法取引に使われると「共犯」扱いになることも
✅ 会社側のリスク
✅ 信用失墜と今後のキャリア破壊
- 宅建士登録が抹消されると、不動産業界に戻れなくなる
- 他の国家資格にも影響(倫理審査などで不利に働く場合がある)
- 今後、業界内での転職や独立が困難に
- 家族・友人などへの悪影響(法的トラブルに発展することも)
実際に起こった名義貸し事件の事例
事例1|名義貸しで不動産詐欺の共犯扱い
事例2|名義貸しバレて宅建士登録抹消
- 登録時の専任性調査で「常駐していない」と判明
→ 宅建士登録抹消 → 会社の免許取消
→ 顧客から契約解除・損害賠償請求の連鎖
名義貸しはバレる?→バレます
✅ 定期的な専任宅建士の実態調査
✅ 内部告発・通報のリスク
- 元社員やライバル会社が通報
- 顧客からの疑念による調査依頼
名義貸しを依頼されたらどうすれば?
✅ 断るのが最優先
- 明確に違法行為であることを伝える
- 依頼を続けてくる場合は、行政や弁護士に相談
✅ 安易に資格証を渡さない
- 宅建士証は「個人の資格証明」
- 紛失・悪用のリスクを常に意識する
「名義貸しメリット」の先に待っているもの
一時的に報酬が得られたり、感謝されたりすることもあります。
しかし、その先に待っているのは
✔ 不動産業界からの追放
✔ 人生を左右する法的責任
✔ 資格の抹消と信用の失墜
たった数万円の副収入のために、長期的なキャリアと信用を失うことになります。
まとめ|宅建士の名義貸しは「メリット以上にリスクしかない」
✅ 名義貸しは一見「楽に稼げる副業」に見える
- 何もせずに報酬が入る
- 感謝される
- 宅建士資格を活用できると錯覚する
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